自分探しの一環として、自分の好きなことが何なのか考えているうちに、高校のときは倫理の授業が好きだったことを思い出し「そうかオレは哲学者だったのか」と、会社をサボって行った図書館で何冊か哲学書をめくってみたが、さっぱり面白くない。
「おかしいな、オレは哲学者なんだからスルスルっと頭に入らないとダメじゃないか。もしかしてオレは哲学者じゃないのかもしれない」
改めて、倫理の何が好きだったのか考えると、哲学者の思考実験というか、思索の過程で出てくる無茶苦茶な設定だったと思い当たった。
プラトンが「完全な三角形ってこの世に無いのに、なんで人間は完全な三角形を知っているの?イデア界っていうところにあらゆるものの完全形があるんじゃない?」と言っていたり(多分)
ホッブズが「もしもこの世が完全な無法状態だったら人は暴れ散らかして収拾がつかないよね」と言っていたり(多分)
ニーチェが「この世にある全ての粒子的なものをランダムに並び替えるのを無限回やったら、丸っきり同じ世界が何度も生まれては消えたりを繰り返すよね」ってことを言っていたりする。(多分)
こういうSF的な思考にわくわくしていた。
そうか、オレはSF作家だったのか。
コメント