創作術として、まず手を動かすことが自分には有効だと気付いた。
スティーヴン・キングが『書くことについて』で、プロットは作らない、状況設定だけしてあとは登場人物に任せると書いていた。物語は化石を掘るのと同じで繊細に進めないといけない、プロットは削岩機のようなもので、使ったら早く掘れるけど、化石が粉々になってしまう、と。
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ピンときた。自分が創作や仕事で行き詰まるパターン。それは、構成や設計を先に作ることだと。構成を作ってしまうと、手が動かなくなる。自分は、手を動かしながら、何が出てくるかを見守ることに特化している。
先に設計をして、その通りに作ろうとすると、頭がこんがらがってしまう。部分部分をちょっとずつ描き加えながら、いつの間にか人の顔が浮かび上がってくるスタイルの方が自分には合っている。目や鼻のパーツを最初からあたりをつけて描こうとすると、描けない。
仕事でプログラミングの設計をしようとすると手が止まる。工数管理もうまくいかない。全部、最初の設計ありきでそれを作っていくことだからだ。
物語も、プロットを作ってから書こうとしたら、わざとらしい、明らかにプロットありきの、プロットを通ろう通ろうと頑張るだけの文章になってしまって、書けない。
プロットなしで、継ぎ足すように、物語のなりゆきを見守るように描いてみたら、スラスラ書けた。しかも楽しい。結末がどうなるのか、自分にもわからない。
子供が粘土で遊ぶのと同じだ。粘土の形を見て、何かを見つける。車を作ろうとしていたら、いつの間にかキリンになっている。
「手を動かしながら考える、設計をしない」が自分のキーワードになりそうだ。取り扱い説明書に加えないといけない。
ブログも、構成を考えてから書こうとすると、どうしても詰まってしまう。書くことを特に決めずに、書き進めてしまった方が、書きたいことを書ける。
人生にも同じことが言えそうだ。たぶん、キャリアプランとかを作っても自分はうまくいかない。目の前の興味があることに飛びつき続けて、いつの間にか何者かになっているというスタイルが合っている。
というか、会社の面談とかでも「キャリアプランはない。目の前のことを頑張る」って言ってたわ。無意識に自分に合う方法がわかっていたのかもしれない。
人生成功の秘訣は「動きながら考える」なのではないか。大体の人が、キャリアプランよりも、偶然の出来事に左右されて、成功している。
自分は完全にアイディア型だ。設計したら終わる。目の前のことから、次の発想を生み出して、部分から全体を作りあげていく。これが自分だ。これが自分の成功パターンだ。
そう考えると、今の仕事は合ってなさすぎる。というか、合う仕事なんてない。仕事というのは、会社でやる限り、全部設計の中に成り立っている。
自分が100%全部、頭からしっぽまで作れる何かをやるしかない。というかやる。
今書いている文章も、着地点も構成も決めていない。
自分が何を書くのかわからない。でも、筆が止まらない。
人が間に入ってくると、うまくいかないのもなぜか分かった。間に人が入ってくると、どうしても設計が必要になってくる。
逆に、完全に一から自由に発想できる場面では、自分は力を発揮しやすい。企画コンペとかが強い。ランニングが好きなのも関係あるかも。あの、一歩一歩積み上げていく感じ。
スティーヴン・キング、マジでありがとう。本を買った自分、よくやった。これだから読書はやめられない。たった一文で、人生が変わる気づきがある。本当にワクワクする。
設計せずに、手を動かす。部分から全体を組み上げる。なりゆきに任せる。
これを毎日100回唱えることにする。
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