哲学がなんなのかずっとよくわからなかったのだが、永井玲衣さんの本『水中の哲学者たち』の中で、哲学とは「なんで?と問うこと」だと書いてあった。
哲学=「なんで?と問うこと」、なんだ、めちゃくちゃシンプルじゃん。
もう一つ、哲学は「驚異と懐疑と喪失の意識」が根源にあるらしい。
平たく言い換えると「は?(脅威)マジで?(懐疑)つら(喪失)」から哲学は始まる、ということ。
「生きるとはなにか?」とか「存在するとはなにか」だけじゃなくて、「食いすぎて腹痛い」とか「駅に人多すぎてダルい」とか、そんなしょーもないことからでも哲学は始まる。
哲学は、一部の頭が良い人たちがやることだと思っていたが、誰もが日常的に普段からやっている営みなのだということになぜか猛烈に感動した。
自分にも哲学できるし、哲学しているじゃん、哲学やっていいんだというね。
もう一つ、この本の中で印象に残ったのが、「世界はめちゃくちゃな問題集である」という言葉。
世界は疑問であふれている。
自分で考える余地がまだまだあるし、どれだけ考えても正解がない。
自分が哲学になぜか惹かれるのは、「なんで?」ということを考えるのが好きだからだと思う。
どれだけ考えてもよいということにワクワクしてしまう。
話は変わるが、SFの舞台設定も「なんで?」から発していると思う。
「なんで○○なのだろう」という疑問に対して、「××だからではないか」という仮説がある。
ここまでは正に「なんで?」と問う哲学そのものだと思う。
ここから、その仮説を検証する場として、「もし△△だったらどうなるのだろうか」というSFの舞台設定が生まれる。
例を挙げると、
疑問:なぜ車は売れ続けるのか
仮説:人々は車に第二の住宅としての価値を見出しているのではないか
舞台設定:もし人々が車に住む世界だったらどうなるのだろうか
というような感じでSF設定の土台には「疑問(哲学)」があるのではないか。多分。
日常にあふれる疑問はネタの宝庫で、ネタは無限にある。安心。
「なんで?」のセンサーを常に研ぎ澄ましておきたい。
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